診療科・部門等のご案内

乳腺外科

対象疾患・治療法について



▲マンモトーム

 乳癌は増え続けています。日本では1年間に約9万人の方が新たに乳癌に罹患し、女性の11人に1人は生涯に一度は乳がんになるといわれています。特に、40歳代50歳代の方が多く、30歳前半でかかる方も少なくありません。しかし乳がんは早期発見によって90%以上が治せる病気です。また、早期でなくても他のがんに比べると性質がおとなしく治療によって治る可能性が高いがんです。

 乳腺疾患は、以前は一般外科医が他の疾患も扱いながら担っていることが多かったのですが医療の進歩に伴い高度な専門性を必要とする領域となったことに加え、乳癌患者数の大幅の増加により一般外科医が片手間に扱える領域ではなくなりました。近年では多くの癌専門病院で乳腺専門医が診断から手術、薬物療法までを一貫して担うことが多くなってきております。当院においても箕畑の着任に伴い2014年4月より乳腺外科という診療科を新たに標榜しております。乳腺専門医1名体制ではありますが他の外科医のサポートのもとに年間約90件の乳腺手術を行っております。

 当科では早期発見のための乳がん検診にも力を入れております。検診においては地域全体の受診率の向上と精度の向上が重要であり一医療機関のみでの取り組みでは限界があります。姫路市医師会の検診研修会や県の講習会に講師として参加することで地域の乳がん検診の啓蒙や検診精度の向上に力を入れております。

 しこりなどの自覚症状がある方や検診で異常を指摘された方に対しては乳癌であるか否かを診断する精密検査を行います。マンモグラフィと乳腺エコーが特に重要な役割を担います。女性の方になるべく気軽に受診していただけるように検査は女性スタッフが担当します。検査で癌を疑う異常があった場合には組織生検によって確定診断を行います。当院ではcore needle biopsyによる組織生検を基本とし、必要に応じてマンモトーム生検などを行っております。乳癌であるか否かの診断だけではなく、どのようなタイプの乳癌であるかを診断することで最も適した手術・薬剤を選択することができます。当院では病理診断部の精度の高い診断のもとに最適な治療選択が可能となっております。

 手術においてはICG蛍光法によるセンチネルリンパ節生検を導入し腋窩リンパ節郭清の必要のない方に対しては負担の少ない手術を安全に受けていただけるようにしております。乳腺の切除方法は従来は乳房をすべて切除する乳房切除術と部分的に切除する乳房部分切除術(乳房温存手術)の2通りの方法が中心でしたが、2013年から人工乳房による乳房再建も保険適応となりました。当院は日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会の施設認定を取得し形成外科との連携のもとに人工物、自家組織いずれの方法での乳房再建にも対応できるように整備しております。また、過去に乳房切除を受けられた方に対して二次的に乳房再建を行うことも可能となっておりますので希望される患者さんがおられましたら是非ご紹介ください。

乳癌の治療は手術だけではなく、薬物療法や放射線治療なども駆使した集学的な治療を行うことが重要です。どのような乳癌にどのような治療を行うのが良いか、臨床試験等のデータの積み重ねで確立された「標準治療」をもとに治療選択を行っております。標準治療というものは常に進歩し変化していくものです。最新の情報をもとに最適な治療を提供することが専門医の役割と考えております。薬物治療に関しても最新の医学情報に基づいた治療選択を行い、抗がん剤の副作用などに対してもきめ細かに対応しております。

治療法の選択には医学な適応だけではなく、患者さんご本人の御希望や社会的状況なども十分に考慮して方針を決めることが重要だと思っております。そのためには患者さんにも乳癌のことを知っていただかなければならない場面もあります。丁寧に説明を行うよう努めておりますが、多岐にわたる説明を行うことで逆に大きな不安を感じられる方もおられると思います。そのような患者さんに対してもがん相談支援センターのがん専門看護師を中心に様々な不安や疑問について支援していく体制をとっております。

スタッフ紹介

 愛知県がんセンター・兵庫県立がんセンターにて乳癌の専門的な研修を受けた後に神戸大学医学部附属病院・兵庫県立西宮病院などを経て2014年4月より当院に着任しました。今後はこの地域に根を下ろして乳癌診療に貢献していきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

担当医 箕畑 順也(平成12年卒)
役職 乳腺外科部長
外科担当部長(兼)
認定医・専門医等
資格名
日本外科学会 認定医・専門医・指導医
日本乳癌学会 認定医・専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
検診マンモグラフィ読影認定医(マンモグラフィ講習会)AS判定
乳房超音波講習会A判定
日本消化器外科学会 専門医
日本消化器外科学会 消化器がん治療認定医
その他の資格等 日本乳癌検診学会 評議員
日本乳癌検診学会 総合判定委員会 委員
マンモグラフィ講習会講師
乳房超音波講習会講師
デジタルマンモグラフィソフトコピー診断講習会修了
乳房再建用エキスパンダー/インプラント講習会修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア講習会修了
臨床研修指導医養成講習会修了

症例数・治療実績

    検査件数(2015年)
  • マンモグラフィ 2693件
  • 乳腺エコー 1913件
  • 針生検(core needle biopsy) 140件
  • 針生検(マンモトーム生検) 21件
  • 乳腺細胞診 78件
    手術件数(2015年)
  • 乳房部分切除術(乳房温存手術) 48件
  • 乳房切除術 23件
  • 乳腺全摘術+乳房再建 12件
  • その他 7件
  • センチネルリンパ節生検 66件
  • 腋窩リンパ節郭清 18件
  • 総手術件数 90件

外来診療枠

 月曜日、火曜日の午前、木曜日の午前・午後に乳腺専門外来を行っております。また乳がん検診につきましてはマンモグラフィ読影認定医の資格を持った外科医が対応しております。

 
(第1・第3のみ)
午前 初)乳腺外来
予)乳がん検診
初)乳腺外来
予)乳がん検診
- 初)乳腺外来
予)乳がん検診
- -
午後 - - - 初)乳腺外来
診察:14時 ~ 16時
予)乳がん検診
- -

施設認定紹介

  • マンモグラフィ検診精度管理中央委員会認定 マンモグラフィ検診施設
  • 日本乳癌学会認定医・専門医制度認定施設
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会インプラント実施施設・エキスパンダー実施施設
          

学会発表など

発表年月 論文(演題)名 学会名・主催者名 筆頭発表者
2015年2月 乳がん検診研修会講師 症例解説 姫路市医師会乳がん検診研修会 箕畑 順也
2015年7月 ポスター討論「姫路市乳癌検診における視触診の意義に関する検討」 第23回日本乳癌学会学術総会 箕畑 順也
2015年7月 Eポスター「急激な経過をたどった乳腺悪性葉状腫瘍の1例」 第23回日本乳癌学会学術総会 田淵 智美
2015年7月 乳がん検診研修会講師 症例解説 姫路市医師会乳がん検診研修会 箕畑 順也
2015年9月 教育セミナー「マンモグラフィと超音波検査の総合判定基準」 第35回日本乳腺甲状腺超音波医学会 箕畑 順也
2015年9月 質問コーナー コメンテーター 第1回神戸乳がん患者の集い 箕畑 順也
2015年10月 口演「当院における乳がんの診断と治療」 姫路市医師会 秋季大学 箕畑 順也
2015年10月 講習会講師 グループ講習「石灰化」 第13回兵庫県マンモグラフィ講習会 プレ講習 箕畑 順也
2015年10月 口演「トモシンセシス導入によるマンモグラフィ偽陽性の減少効果について」 第25回日本乳癌検診学会学術総会 箕畑 順也
2015年10月 フレッシャーズセミナー「総合判定の実際」 第25回日本乳癌検診学会学術総会 箕畑 順也
2015年11月 講習会講義「総合判定の実際2」 第1回総合判定講習会(日本乳がん検診学会) 箕畑 順也
2015年11月 全体講義「マンモグラムの所見用語とカテゴリー分類 石灰化・その他の所見」 第13回兵庫県マンモグラフィ講習会 箕畑 順也
2015年11月 グループ講習講師「石灰化2」 第13回兵庫県マンモグラフィ講習会 箕畑 順也
2015年12月 講演「乳癌 最近の話題」 製鉄記念広畑病院公開講座 箕畑 順也
2015年10月 書籍「マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアル」 日本乳癌検診学会総合判定委員会編
篠原出版株式会社
箕畑 順也