血管外科

診療科の特色

 血管外科は当院外科の中の一つの専門分野です。現在、主な業務は血管外科医の福岡が担当しています。もちろん、手術においては、臨床研修医や外科専門医を目指す若い臨床医にも手術に参加してもらい、臨床研修に役立ててもらっています。

1) 動脈疾患に対する治療

 閉塞性動脈硬化症(PAD)に対してはバイパス術などの手術のみならず、経皮的血管形成術(PTA)、STENT留置術などの血管内治療(Endovascular surgery)も行っています。血管外科医だからこそできる、手術と血管内治療を組み合わせたhybrid 手術は、患者の年齢、症状、QOL、活動能力、また手術侵襲などを考慮した、最善の治療法を提供できると考えております。

2) 静脈疾患に対する治療

 深部静脈血栓症に対するカテーテル治療、IVCフィルター留置術や、下肢静脈瘤に対する日帰り手術、内視鏡手術、硬化療法などを行っています。特に下肢静脈瘤に対する治療は、今まで1300例以上の経験を有していますが、現在ほとんどが日帰り治療を行っており、2014年からは下肢静脈瘤レーザー血管内焼灼術を、2015年からはラジオ波血管内焼灼術を当院で導入しております。このカテーテル治療と付随する、stab avulsion techniqueによる手術は、傷がわずか3mmほどで縫合する必要もなく、術後に傷がほとんど目立たなくなり、非常に好評です。

3) 透析患者に対するバスキュラーアクセスマネージメント

シャントは透析患者にとっては『第2の命』といわれるほど、非常に大切なものです。初回シャント作成から、シャント閉塞に対するPTA 、人工血管内シャント作成、バスキュラーアクセス合併症対策など、透析関連手術に対して、ほとんど対応しています。当院では「シャント作成からシャント維持まで」血管外科医によるバスキュラーアクセスマネージメントを提供しています。

4) 救急疾患に対する血管外科治療

外傷性血管外傷、急性動脈閉塞、腹部大動脈瘤破裂などの緊急手術だけでなく、骨盤骨折、脾損傷などによる出血性ショックに対するTAEなども行っています。

5) 消化器疾患に合併した血管疾患の治療

Microsurgeryやインターベンションを組み合わせることにより、消化器癌の拡大手術が可能となります。例えば、PD時における門脈合併切除再建術や、食道癌における遊離空腸の血管吻合などが可能となります。また、大伏在静脈を用いたグラフト採取は脳神経外科手術時の動脈バイパス術にも用いられたり、あらゆる他科との連携を行っています。

 

透析施設としては、当院は非常に優秀なME、スタッフが多く、西播地区では最も優れた施設であると自負しています。 血管外科は、その緊急度、重症度からも、他科との連携が非常に大切で、当院では、腎臓内科医、放射線科医、外科医、救急医、循環器医、整形外科医、形成外科医、皮膚科医などと緻密な連携、チームワークで最善の治療を提供しています。

対象疾患・治療法について

    a.動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞症、腹部大動脈瘤など)
    b.静脈疾患(下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症など)
    c.慢性腎不全患者のVascular Access(透析患者の内シャント作成など)
    d.救急疾患に対する血管外科治療
    e.消化器疾患あるいは他科連携

症例数・治療実績

動脈疾患;血管手術(バイパス手術など) 11例
PAD Intervention (血管内治療) 22例
静脈疾患:下肢静脈瘤手術  76例
バスキュラーアクセス作成 82例
バスキュラーアクセスPTA 72例

スタッフ紹介

担当医 福岡 正人(平成3年卒)
役職外科部長
血管外科部長(兼)
臨床工学科部長(兼)
中央手術部長(兼)
認定医・専門医等
資格名
医学博士
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本脈管学会認定脈管専門医
日本血管外科学会認定血管内治療医
厚生労働省認定臨床研修指導医
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医