外科

診療科の特色

 当院の外科は消化器外科を中心に肝胆膵外科、食道胃腸外科、および救急外科の3分野を担当しています。病床数は本館4階に52のベッド数で運営し、年間600-700の手術を施行しています。それぞれの分野で神戸大学外科学講座と連携し、大学の肝胆膵外科講座および食道胃腸外科講座出身の優秀なスタッフで構成され、特に2020年度からは当院救命センターにおける緊急手術にも幅広く対応するため、acute care surgeryの専門医師もスタッフに加えました。
 当科の特色ですが、当院はがん診療において県に9か所ある県指定がん診療連携拠点病院の1つであり、国指定の地域がん診療連携拠点病院である姫路医療センターと姫路赤十字病院とともに中播磨医療圏のがんの中核病院に認定されています。もちろん、がん診療は外科単独のものでは決してありません。消化器がんについては内科、放射線科とともに診療計画を立て、週2回のcancer boardで情報を共有するとともに多角的な観点から患者さん個々に最適な治療を提供できるよう病院全体で取り組んでいます。もちろん当院には化学療法認定看護師やがん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、皮膚排泄ケア認定看護師など専門知識の豊富なコメディカルも充実し、チームとして最新、最善のがん診療を提供できる体制が整っています。がん診療の中で当外科はガイドラインに則った標準治療としての手術のみならず、化学療法や放射線科医、内科医とともに集学的治療にも取り組んでいますが、外科としてその診療の中心は自ずと手術という事にはなります。
 悪性疾患として最も多いのは消化管の癌ですが、胃癌の手術は年間約60件前後、大腸がんは直腸癌も含めて年間100件前後の手術を行っています。これらの手術は腹腔鏡の手術も行っており、早期胃癌や大腸がんの待機手術では腹腔鏡手術を主体に行っており、腹腔鏡の手術は増加してきています。食道がんに対しては胸腔鏡下の胸部食道摘出術も症例に合わせて施行していますが、鏡視下手術を行い、開胸しないことで呼吸器合併症を減らすことが可能と考えています。さらにstage II~III以上の進行癌ではガイドラインに準じて術前化学療法を行ってから手術を行い、まだまだ症例数は少ないものの良好な手術成績を出しています。さらに進行度の進んだ高度局所進行症例には放射線治療医と協同して放射線化学療法にも取り組んでいます。
 次に肝胆膵領域の悪性疾患ですが、毎年10例前後の胆膵手術や15例前後の肝臓手術を行っています。肝胆膵領域の悪性疾患の手術件数も増えるよう2018年度に神戸大学から肝胆膵外科学会の評議員である岩谷も加わったことで腹腔鏡下の肝臓手術もすこしずつ増加しています。当院消化器内科には内視鏡手術のみならず、肝胆膵のエキスパートドクターも神戸大学から派遣されましたので、外科の肝胆膵手術症例は肝臓のみならず膵臓手術もすこしずつ増加してきています。こうした症例は黄疸や肝腫瘤などが診断の契機になることもあり、これまで以上に当院消化器内科との連携を密にし、近隣医療機関からもますます御紹介いただける症例数を増やしていきたいと考えています。外科としては安全かつ根治度の高い手術を提供できるようこの分野においてもこれまで以上に切磋琢磨して治療成績の向上を目指したいと考えています。
 良性疾患の胆石やそけいヘルニアの手術も多く、昨年はそれぞれ161例、100例でそのうち6~7割が腹腔鏡での手術となっており、県下でも有数の手術症例数を安全に施行しています。
 さらに、手術を必要とするような救急疾患が多いのも当科の特徴ですが、当院の大きな特徴として救命救急センターがあり、この播磨医療圏の救急医療にも大きな役割を果たしていることに起因しているものと思われます。こうした緊急対応の外科疾患に対して毎日当番制を敷いて救急担当医をサポートするとともに緊急手術にも対応できる体制を取っています。さらに今年度からは上述の通り、救命センターにおける手術に幅広く対応するため、acute care surgeryの専門医師もスタッフに加えました。集中治療室での全身管理を必要とする高度重症例に対しても救急科と共同で救命治療を行い、さらなる救命率の向上にも努めたいと考えております。

対象疾患・治療法について

  1. 食道癌、胃癌、十二指腸癌、大腸癌など消化管悪性疾患
  2. 肝癌、膵癌、胆道癌など肝胆膵悪性疾患
  3. ヘルニア、胆石、痔疾、膵胆管合流異常など消化器良性疾患
  4. 穿孔性腹膜炎、腸管壊死などの急性虚血性疾患、外傷による腹腔内臓器損傷などの救急疾患

症例数・治療実績

過去3年間の手術件数

スタッフ紹介

担当医 酒井 哲也(平成元年卒)
役職 診療部長
外科部長(兼)・消化器外科部長(兼)
認定医・専門医等
資格名
医学博士
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
近畿外科学会評議員
難病指定医
厚生労働省認定臨床研修指導医
医療安全管理者認定メディカルリスクマネージャー
神戸大学医学部臨床教授
兵庫医科大学臨床教育教授
担当医 福岡 正人(平成3年卒)
役職外科部長
血管外科部長(兼)
救急外科部長(兼)
臨床工学科部長(兼)
中央手術部長(兼)
認定医・専門医等
資格名
医学博士
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本脈管学会認定脈管専門医
日本血管外科学会認定血管内治療医
厚生労働省認定臨床研修指導医
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医・指導医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
担当医 土田 忍(平成4年卒)
役職 肝胆膵外科担当部長
認定医・専門医等
資格名
神戸大学医学部臨床教授
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会評議員・高度技能指導医
日本肝臓学会認定肝臓専門医、暫定指導医他
担当医 坂平 英樹(平成8年卒)
役職 救急外科担当部長
認定医・専門医等
資格名
医学博士
日本外科学会外科専門医
日本救急医学会救急科専門医
日本外傷学会評議員・外傷専門医
日本Acute Care Surgery学会評議員・認定外科医
日本消化器外科学会消化器外科専門医
日本腹部救急医学会評議員・腹部教育医・認定医
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本DMAT隊員
ATOMインストラクター
SSTTインストラクター
担当医 安田 貴志(平成11年卒)
役職 食道胃腸外科担当部長
認定医・専門医等
資格名
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
日本食道学会 食道外科専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(胃)
担当医 森本 大樹(平成13年卒)
役職 食道胃腸外科担当部長
認定医・専門医等
資格名
医学博士
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本肝胆膵外科学会評議員
担当医 松田 佑輔(平成18年卒)
役職 外科担当部長
認定医・専門医等
資格名
日本外科学会外科専門医
担当医 井上 達也(平成23年卒)
役職 担当医
認定医・専門医等
資格名
日本外科学会外科専門医
担当医 上田 菜保子(令和元年卒)
役職 外科専攻医

施設認定紹介

  • 日本外科学会専門医制度修練施設(指定施設)
  • 日本胸部外科学会認定医制度関連施設
  • 日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(認定施設)
  • 呼吸器外科専門医合同委員会修練施設(関連施設)
  • 日本がん治療認定医機構 認定研修施設

学術活動紹介

一般社団法人NCDの手術・治療情報データベース事業への参加について


2018年4月 製鉄記念広畑病院 外科

当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。 この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。 この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。 何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
1.NCDに登録する情報の内容

当院では、行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さんのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さんを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCDには提供しません。

2.登録する情報の管理・結果の公表

登録する情報は、それ自体で患者さん個?を容易に特定することはできないものですが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。

当科及びNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。

データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。

3.登録の拒否や登録情報の確認

データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当科のスタッフにお伝えください。

また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。

4.NCD担当者の訪問による登録データ確認への協力

当科からNCDへ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCDの担当者が患者さんのカルテや診療記録を閲覧することがあります。

当科がこの調査に協力する際は、NCDの担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さんとIDの対応表や氏名など患者さんを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したりすることは禁じます。


本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。

患者さんへ(専門医制度と連携したデータベース事業について)
一般社団法人National Clinical Database(NCD)ホームページ